メリーウィドウ

ロマンティックな恋物語と
ユーモアが溢れるオペレッタ

華やかさ、ロマンス、ウィーンの香りが一度に味わえる永遠の名作

フランツ・レハール作曲の《メリー・ウィドウ》(1905年初演)は、オペラの華やかさとミュージカルの軽快さを併せ持つ“オペレッタ”の最高峰です。ウィーンの社交界を舞台に、恋と駆け引き、そしてダンスが織りなすきらびやかな世界が広がります。
軽やかな音楽に包まれながら、観客はいつの間にか物語の中心に引き込まれ、最後には幸福感に満たされる——そんな魅力を持つ作品です。


オペレッタ「メリーウィドウ」

◆ 時代背景と作品誕生のエピソード

20世紀初頭のウィーンは、文化と芸術が花開いた“世紀末ウィーン”の余韻が残る時代。社交界ではワルツやカンカンが流行し、華やかな舞踏会文化が絶頂を迎えていました。

レハールはハンガリー出身の作曲家で、ウィーンで活躍しながら独自のロマンティックな旋律を生み出しました。《メリー・ウィドウ》は当初、劇場側から期待されていなかったものの、初演後は爆発的な人気を獲得。
ウィーン中が「ヴィリアの歌」を口ずさみ、舞踏会では“メリー・ウィドウ・ワルツ”が大流行したと言われています。


◆ 登場人物と関係図

登場人物声種役どころ
ハンナ・グラヴァリソプラノ莫大な遺産を相続した若き未亡人。社交界の注目の的。
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵バリトンプレイボーイの外交官。実はハンナの元恋人。
カミーユ・ド・ロシヨンテノールフランス人の貴族。ヴァランシエンヌに恋している。
ヴァランシエンヌソプラノ大使の若い妻。カミーユとの恋に揺れる。
ポンテヴェドロ公使館の面々国の財政破綻を防ぐため、ハンナの再婚相手探しに奔走。

関係図(簡易)

ハンナ ←→ ダニロ(元恋人同士)
ヴァランシエンヌ ←→ カミーユ(秘密の恋)
公使館の人々 → ハンナを自国民と結婚させたい

オペレッタ「メリーウィドウ」

◆ あらすじ(魅力が伝わるストーリー紹介)

物語の舞台はパリのポンテヴェドロ公使館。
莫大な財産を持つ未亡人ハンナがパーティに現れると、社交界は大騒ぎ。もし彼女が外国人と結婚すれば、祖国ポンテヴェドロは破産してしまうため、公使館の人々は「なんとか自国民と結婚させねば」と奔走します。

そこで白羽の矢が立ったのが、外交官ダニロ。彼はハンナの元恋人ですが、プライドが邪魔して素直になれません。一方のハンナも、昔傷ついた思いから簡単には心を開かない。
二人は軽口を交わしながらも、互いへの想いを隠しきれず、舞踏会のワルツが二人の距離を少しずつ縮めていきます。

同時に、ヴァランシエンヌとカミーユの秘密の恋も進行。誤解やすれ違いが重なり、パーティは大混乱に。しかし最後には誤解が解け、ハンナとダニロはついに本心を打ち明け、幸福な結末を迎えます。


◆ 見どころ・聴きどころ

★ 「ヴィリアの歌」

ハンナが歌うこのアリアは、作品の象徴ともいえる名曲。幻想的で美しく、聴く者を夢の世界へ誘います。

★ メリー・ウィドウ・ワルツ

ダニロとハンナが踊るワルツは、二人の心の距離が縮まる象徴的な場面。舞台上の華やかさと音楽の優雅さが絶妙に溶け合います。

★ コミカルな群舞とカンカン

オペレッタならではの軽快なダンスシーンが満載。特にマキシムの場面は華やかで、観客を一気にパリの夜へ連れていきます。


◆ この作品が愛される理由

  • ロマンティックな恋物語と軽妙なユーモアの絶妙なバランス
  • ワルツを中心とした美しい音楽が心をとらえる
  • 華やかな舞踏会シーンが視覚的にも魅力的
  • 登場人物の感情が丁寧に描かれ、共感しやすい

《メリー・ウィドウ》は、観る人を幸福な気持ちにしてくれる“ウィーンの宝石”のような作品。
オペラの華やかさとミュージカルの楽しさを一度に味わえる、まさに永遠の名作です。舞台でそのきらめきをぜひ体験してみてください。